思考訓練場

様々なテーマを扱い自己分析をするためのブログです。

 

「国では、日本の企業や暮らし方の文化を変える「働き方改革」の実現に取り組んでいる。その中の大きなテーマの1つに「長時間労働の是正」がある。そこで、次の2点について900字以上1100字以内で論じなさい。
1「長時間労働の是正」が求められている背景としてどのようなことが考えられるか。
2「長時間労働の是正」に向けて行政が取り組むべきことは何か。(H29 埼玉県)」

 

 近年、「KAROSHI」という言葉が世界中に広く知れ渡り、日本の労働環境が問題視されている。背景には、長時間労働が原因となり心身ともにが衰弱し、死亡してしまう事故が国内で発生してしまっている。これには労働環境に大きな原因がある。バブル期の働き方や意識を引きずり続ける上司らが、部下に過重労働を押し付けてしまっているのである。

 また、正社員として働きたいにも関わらず機会がない労働者が増えているいる。総務省の調査では、非正規雇用は平成元年は817万人で労働者の約19%に過ぎなかったが、平成30年には2120万人で約38%にまで増えている。これにより、働いているが貯金ができない生活を送っている「ワーキングプア」が社会問題となっている。これらの「過労死」や「ワーキングプアなどが」が「長時間労働の是正」の背景になっている。

 そこで、行政が取り組むべきことは、行政全体で業務負担を減らせるようにRPAの活用やオートメーション化を更に推進していく必要があると考える。たとえば、住民票がコンビニで発行可能になったことで窓口業務の減り、その他の業務に職員が取り掛かれる。また、このように、市民の利便性を向上すると同時に職員の負担を減らしていけるように行政の労働環境を改善していくことで、2040年問題と呼ばれる、職員数の激減までに環境を構築していく必要がある。

 私自身も飲食店のアルバイトで、資材や商品の発注システムはすべて手動で計算し数字を入力する必要があり、計算ミスがそのまま店舗の損益に直結する環境だった。しかし、しばらくして発注システムが店舗の売り上げと連動し、オートメーション化したことにより、業務効率が向上し、省人化や新たな業務を発見することができた。

 しかし、一方でRPA化やオートメーションが進むことで更に、自治体の非正規雇用が増加している現状がある。これに関しては、これからも議論されていき行政職員の業務が大きく変化する時代なのかもしれない。その為にも、まずは業務効率を向上させ、行政職員が市や日本社会のために取り組むべき業務を探す必要がある。

 以上のことから、行政では2040年問題に備え、業務のオートメーション化を推進し、「長時間労働の是正」に対応し、更に、その後の行政職員が取り組むべき地域の課題や業務を発見する必要があると考える。(975字・60分)